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泌尿器科の紹介・診療について

治療方針・診療の特徴

前立腺がん治療

当院では低侵襲(手術・検査などに伴う痛み、発熱・出血などをできるだけ少なくする手法)による治療を積極的に取り入れています。 泌尿器科においては、最も効果の高い治療を患者さんお一人お一人に合せて総合的に検討しており、手術、放射線治療、化学療法を部位、 ステージに応じて用いた集学的治療が基本となります。
前立腺がん(ぜんりつせんがん)とは
前立腺がんは、以前より欧米諸国では最も多いがんの一つでしたが、近年、日本でも、食生活の欧米化、検診の普及、社会の高齢化などにより、前立腺がんの患者さんが急増しています。
前立腺がんの原因
危険因子としてはいろいろなものが挙げられていますが、年齢、遺伝、内分泌・生殖活動、環境、職業、食事などが関連しているといわれています。
前立腺がんの症状
前立腺がんの発育は緩徐で、初期には無症状です。ある程度腫瘍が増大すると、排尿障害など、前立腺肥大症と同様の症状が出現することもありますが、例えば骨転移による痛みなど、病気がかなり進行してから発見されることが多かった疾患です。最近では、PSA(前立腺特異抗原)による検診が普及したことにより、早期発見されるケースが増えています。
前立腺がんの検査と治療
診断には、PSA、直腸診、MRI、超音波検査などが有用ですが、確定診断には前立腺生検(組織検査)が必要です。当院では、1泊2日の短期入院にて、年間約150例に生検を行っています。生検の結果、前立腺がんと診断された場合、CTや骨シンチグラフィーなど、全身の検査により病期診断(がんの進行度の確認)を行います。

その後、年齢や合併症、病期などを考慮して、手術(前立腺全摘除術)、ホルモン療法、放射線療法などの治療方針を決定します。当院では、約2週間の入院で、年間30〜40例、前立腺全摘除術を施行しています。
加えて当院では放射線治療を年間40例程度、また2週間の入院で、年間30〜40例、前立腺全摘除術を施行しています。

前立腺がんの治療法は、性質、がんの広がり状況、年齢、持病の有無等によって異なります。前立腺がんに対して、現在行われている主な治療方法は次の通りです。
  • 手術療法
  • 放射線療法
  • ホルモン療法
  • 無治療経過観察
ホルモン剤単独で前立腺がんを完全に治癒させることは困難と考えられています。前立腺がんを完全に駆逐する標準的治療法は、手術か放射線治療のいずれかです。治療法が選択可能な場合、それぞれの治療法の利点や欠点を理解した上で、納得のいく治療を受けることが大切です。

手術療法

手術によりがんを除去する治療です。がんが前立腺内にとどまっていれば、理論的には100%根治が可能です。ただし、がんの転移がすでにあれば原則的に適応はありません。また、前立腺外への浸潤があれば、手術後の再発の危険性が高いと考えられます。

手術は全身麻酔で行われます。手術侵襲はさほど高くはありませんが、全身状態が悪い場合や、危険な合併症がある場合は行われません。性機能が障害されることもあり、性的活動期にある男性には大きな問題となります。

●前立腺全摘除術

早期がんに対する根治療法で前立腺とともに精嚢を一塊として摘出します。膀胱の出口と尿道とを吻合する手術方法です。

●神経温存前立腺全摘除術

神経温存前立腺全摘除術は、両側あるいは片側の勃起神経を残す手術法で、勃起障害を発症する可能性は低くなります。ただし、神経を温存することでがんを取り残す可能性がありますので、その適応は限られます。


放射線療法

放射線治療の利点は、手術に比べて侵襲も少なく、治療後のQOL(生活の質)が高いことです。放射線治療期間中は入院の必要がなく、外来で治療ができますので、日常生活を続けながらの治療が可能です。

放射線治療の副作用としては、頻尿・排尿痛・肛門痛・頻便・下痢などであり、やや重篤なものとしては直腸出血などがあります。

当院の前立腺がん治療では、隣接する放射線がん治療センターにて以下の最新の高精度放射線治療が受けることが可能です。

● 放射線治療の方法
放射線治療を実施する際にはまず治療計画のためのCTを撮影し、コンピューター上でシミュレーションを繰り返します。当てる前立腺への線量と当てたくない周辺臓器へのバランスを調整し、検証を行ったうえで治療を開始します。1日1回、週5回の照射で2カ月弱の期間に合計約37回の治療を行います。
基本的に入院不要で、外来通院で仕事をしながらなど日常生活を維持したままがん治療を行うことができるのも、この治療のメリットとなります。1回の治療時間は約10分程度で、放射線のかけ方、放射線の量などによって変わってきます。
毎回病巣に正確に照射するために、シェルという型を作ってマーキングが必要になります。放射線治療自体は熱くも痛くも痒くもありません。
照射回数が増えてくると、照射部位に皮膚炎や粘膜炎などの炎症反応が出てくる場合もありますが、治療が終了して2〜3週間もすると、それらの症状は落ち着いてきます。放射線治療は体に直接傷をつけることはありませんので、体に侵襲の少ない治療と言えます。
● 強度変調放射線治療(IMRT)
強度変調放射線治療(IMRT)とは、腫瘍部分のみに放射線を集中させ、正常組織への照射を極限まで低減する新技術の一つです。強度変調放射線治療では、複雑な照射をコンピューター管理で超高精度に制御された治療装置により実行します。これにより、従来の照射方法と比較し副作用の軽減が期待されます。

内分泌療法(ホルモン療法)

前立腺がんの多くは、精巣および副腎から分泌される男性ホルモンの影響を受けて増殖しています。内分泌療法(ホルモン療法)は、男性ホルモンの分泌や働きを抑えることによって、前立腺がん細胞の増殖を抑制しようとする治療法です。

男性ホルモンは、95%が精巣(睾丸)から、5%が副腎から分泌されています。ホルモン療法は、この分泌を下記のようなさまざまな方法で制御することによって、がんの増殖・進行を抑えます。
  1. 薬物療法・・・薬で男性ホルモンの分泌を抑える方法
  2. 精巣摘出術(除睾術)・・・手術で精巣(睾丸)を除去する方法
男性ホルモンが低下することから、性欲の低下、勃起障害、女性の更年期障害のような症状(顔面のほてり、のぼせ、発汗、疲れやすいなど)、乳房の膨大、乳房痛などが副作用として起こることがあります。この治療法は、続けていくうちにがんが男性ホルモンの少ない環境でも増殖・進行するようになる(耐性化)という問題点があり、その際は薬をかえたり、治療法をかえたりして対処することになります。

がんが前立腺の外に浸潤している病期III期の患者さんには、内分泌療法を単独あるいは放射線療法と組み合わせて行います。病期IV期の患者さんには、主として内分泌療法を行います。また、治療効果を高める目的で、手術や放射線療法の前(ネオアジュバント療法)、あるいは後(アジュバント療法)に内分泌療法を併用することもあります。

無治療経過観察

前立腺がんの中には、治療をしなくてもほとんど進行しないおとなしいものがあります。病期分類がT1〜T2aでグリーソンスコアが6以下、PSA値が20ng/mL以下の場合はその可能性があり、特に高齢者の場合は、身体に負担をかけて治療を行いQOL(生活の質)を損ねるよりも、定期的にPSA値をチェックしながら経過を見るほうが良い場合があります。これを「PSA監視療法」といいます。

前立腺がんの治療法選択に与える因子
前立腺がんは、病期によっては複数の治療法の選択肢があり、治療法選択に影響を与える様々な因子を考慮する必要があります。その中でも、重要なものは下記となります。
  1. 遠隔転移(骨、リンパ節等)の有無
  2. 前立腺局所がん浸潤の有無
  3. PSA値
  4. がん細胞の悪性度
  5. 生検がん陽性率
  6. 年齢、全身状態、合併症、社会背景

検査方法

● PSA(前立腺特異抗原)検査

ピー・エス・エー(PSA)とは?

PSAイメージ画像1「ピー・エス・エー」は前立腺特異抗原(prostate specific antigen)の英語の頭文字を並べた略語です。その意味のとおり前立腺という男性の生殖器官でのみ産生されるたんぱく質です。そもそもは前立腺の腺細胞から前立腺の腺腔内に分泌され(右図)、精液の中に混じって精液をさらさらにする作用があると言われています。血液検査で測るPSAは、本来は腺腔内に分泌されるものが血液中に “もれでた” ものです。血液中に “もれでやすい” 状況になると、血液検査での測定値が高くなるわけです。


PSAが上がるのはどういうとき?

前立腺でしか産生されないPSAですが、「前立腺特異的」であって「前立腺がん特異的」ではないことを知っておいてください。もちろん前立腺がんで上がることが多いわけですが、他に前立腺肥大症や、前立腺炎、尿道にカテーテルなどがはいった状態(物理的な刺激)、尿が全くでない(尿閉)などの排尿状態の極端な変化は、PSAの値に影響をおよぼす可能性があります。ですから、少しくらい高い値であっても、必ずしも「がん」ではありません。ただ、なんらかの変化が前立腺におこっている可能性は高く、泌尿器科専門医の受診は必要と思われます。


PSAの基準値は?

PSAの基準値としては一般的に4.0ng/mlという値が用いられています。教科書によれば、がんの発見される割合はPSA値が4ng/ml未満でも50人に1人、4〜10ng/mlのグレーゾーンと呼ばれる値で4人に1人、10ng/ml以上になると2人に1人とされています。当然のことながら、さらに高値になればなるほどその割合は高くなります。


血中PSA値は変動します

先に述べましたように、前立腺の状態はいろいろな影響を受けます。自覚症状の変化は特になくても採血時の全身状態などで小さな変化はありますし、測定するキット(方法)によっても多少の違いがあります。少しくらいの変動は当然と考えていただいて良いと思います。ただ、例えば同じキットで毎年測って毎回上がっている、というような場合には要注意と考えられます。


前立腺生検

前立腺の組織を採取し、病理検査にてがんの有無を診断します。腰椎麻酔下に肛門より超音波検査の機械を挿入し、まず前立腺内部の様子を調べます。その後、前立腺を超音波で観察しながら直径1.8mmの針を前立腺に向かって12ヶ所刺し、前立腺の組織を採取します。検査時間は約30分程度で、前立腺生検は1泊2日の入院が必要となります。


がん細胞の悪性度(グリーソンスコアー)

顕微鏡検査で前立腺がんと診断された場合、前立腺がんは腫瘍の悪性度をグリーソンスコアーとよばれる病理学上の分類を使用して表現します。これはがんの悪性度を5段階に評価するものです。「1」が最もおとなしいがんで、「5」が最も悪いがんを意味します。前立腺がんの多くは、複数の、悪性度の異なる成分を有しているため、最も多い成分と次に多い成分を加算してスコアー化します。これがグリーソンスコアーです。たとえば最も多い成分が「3」で次に多い成分が「4」の場合、「3」+「4」=「7」と評価されます。グリーソンスコアーの解釈では、スコアーが「6」以下は性質のおとなしいがん、「7」は前立腺がんの中で最も多いパターンで中くらいの悪性度、「8」〜「10」は悪性度の高いがんと理解されます。この分類は治療法を考えるうえでとても大切です。


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