放射線科
(診断)
診療時間
24時間 365日検査対応(CT・MRI)
科の説明
放射線科では、様々な放射線機器を使用した画像診断および血管内治療(インターベンショナルラジオロジー:IVR)を行っています。
画像診断は従来からのX線診断に加えて、コンピュータ断層診断(CT)、磁器共鳴画像診断(MRI)、核医学診断(RI)、血管造影などを用いて行っています。当院で撮影された画像はすべてが画像サーバーに保管され、放射線科診断専門医がコンピュータのモニター上で読影し、院内の各診療科に検査結果を迅速に報告しています。
IVRは針やカテーテルと呼ばれる細い管を用いて画像誘導下に行う経皮的治療で、手術に比べて患者さんのご負担が少ない治療法です。当院では透析患者さんのシャントトラブル(シャント血管の狭窄・閉塞)に対する治療に力を入れており、安全かつ正確な治療に努めています。
当科では最新の画像診断機器による迅速かつ正確な画像診断を心がけるとともに、画像診断およびIVRを通じて、地域ニーズに密着した患者さん中心の医療を提供していきたいと考えております。
特徴
チームで画像読影能力の向上を追求
放射線技師とは画像撮影方法や検査所見に対して随時ディスカッションを行っており、さらに症例検討や勉強会を行うことで、より質の良い画像を提供出来るよう努力しています。また他科との合同画像カンファレンスを行うことにより、お互いの画像読影能力の向上にも努めています。
365日24時間の検査対応と迅速な画像レポート
CT、MRI、RI、血管造影はフィルムレスで、検査結果所見は電子カルテを通じて閲覧できるようになっています。検査結果所見は可能な限り検査終了後の再診察までにレポート作製が出来るように努めており、迅速な検査結果報告を心がけています。また検査所見に対する質問も随時受け付けており、可能な限りその場で返答するようにしています。
CT・MRI検査は24時間、365日体制で行っており、近隣からの紹介検査に対応しています。
日帰りシャントPTA治療(IVR治療)
透析のシャントトラブルに対しての血管内治療を行っています。
「IVR:アイ・ブイ・アール;Interventional Radiology」とは、X線透視像、CT像、超音波像、血管造影像を見ながら、カテーテルと呼ばれる細い管や、針を用いて外科的手術なしに、できる限り体に傷を残さずに病気を治療する「患者さんにやさしい低侵襲性の治療法」です。
当院では主に透析患者さんのシャントトラブルに対するIVR治療(シャントPTA)を行っています。シャントPTAはバルーンカテーテルとよばれる細い管で狭窄・閉塞した血管を拡張し血流を回復させる治療法です。当院では日帰り対応しており、透析時のシャントトラブルなど緊急で治療が必要な場合も可能な限り対応いたします。
また治療中のトラブル発生時や、シャント血管再建が必要な際には他院とも連携しており、迅速に対応しています。
放射線科ドクターの紹介
実績
2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | |
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CT検査 | 8,135 | 8,389 | 8,585 | 8,786 | 8,948 |
MRI検査 | 4,184 | 3,886 | 4,260 | 4,138 | 4,662 |
RI検査 | 255 | 235 | 304 | 245 | 290 |
マンモグラフィー読影 | 4,799 | 4,399 | 5,058 | 5,059 | 4,952 |
胃透視読影 | 2,609 | 2,522 | 2,747 | 2,765 | 1,834 |
検査
CT
CTスキャンは撮影時間が非常に短く、撮影方法によっては、全身が30秒程度で撮影出来ます。音も静かなため、精神的・肉体的負担が少ない検査です
「CT」とは、Computed Tomography(コンピューター断層撮影)の略です。X線を発する管球とX線検出器がドーナツ状の架台内を回転しながらデータ収集し、人体の輪切り画像をコンピューターによって再構成する装置です。この装置の寝台に寝た状態でCT検査を行います。近年の技術進歩により、広い撮影範囲をより早く、より詳細なCT検査が可能になりました。画像データから任意断面像やカラー3次元画像、血管像(下図)を作成し、詳細な診断情報を提供しています。
CTについて
この度、約15年使用したCT装置を更新し、マルチスライスCTであるキャノンメディカル社製(旧東芝メディカル)Aquilion Prime SP/ i Edisionを導入致しました。
この装置の特徴は、人工知能(A I)を利用した画像再構成を全身に使用することが可能であるため、従来よりも大幅に被ばく線量を低減しつつ高品質な画像を提供することができます。これらの技術を使用し、腎機能低下患者さんに対して造影剤量を減量しての造影CT検査や、低線量での肺がんCT検診を行うことができるようになりました。
また、寝台の最低高さ約42cmと低くなり、幅は78cmと広くなりました。それにより身長の低い方や腕をあげにくい方でも、安全に安心して検査を行いやすくなりました。
「温かく、優しいCT検査」をコンセプトに、本装置の導入に至りました。このコンセプトの元に検査室の内装にもこだわり、更衣室も快適にお待ち頂ける様に設計しました。患者さんの不安を少しでも軽減し寄り添えるよう日々検査を行っていきます。
MRI
磁気を利用した検査の為、放射線被爆の心配がありません。脳や筋肉など水分の多い箇所の画像診断に力を発揮します
「MRI」とはMagnetic Resonance Imaging(磁気共鳴画像法)の略です。強力な磁石と電波を使用して体内の状態を検査する方法です。検査中に大きな音がするのが特徴です。MRI検査では身体のあらゆる断面の画像が得られ、組織の情報が詳しくわかります。また、造影剤を使用せずに血管を描出するMRAngiography(MRA)という撮像法もあります。
放射線を使う検査ではないので被曝の心配はありませんが、心臓ペースメーカーを入れている方は検査を受けることが出来ません。(MRI対応ペースメーカーを除く)
体内に金属がある方、妊娠中の女性は注意が必要です。検査前に必ず問診を受け危険がないことを確認させて戴きます。
検査は、検査着に着替えてもらうので普段着で来院していただいて結構ですが、補聴器・時計・入れ歯・ネックレス・ピアス・カラーコンタクト・カイロ・カード類・財布等は検査室に持ち込めないため外していただきます。
頭部領域では、細かい脳血管や神経、小さな脳梗塞や脳動脈瘤が描出できます。
肝臓や乳房では、造影剤を用いた検査の画質が向上し、小さな病変を描出できます。
整形外科領域では、関節を高分解能で撮像できるため、軟骨や靱帯の小さな変化を捉えることができます。
MRIについて
当院のMRIは2019年1月に導入された3テスラMRI装置(GE社製)です。3テスラMRIでは従来の1.5テスラMRIと比べて高い信号が得られるためより短時間で高解像度の撮像が可能となり診断能力が高くなります。また開口径が従来の60㎝から70㎝に拡大され、装置内のスペースが広がり、従来よりも快適に検査を受けていただくことができ、閉所恐怖症の患者さまの恐怖感も緩和され、検査の質の向上にも貢献します。
RI
放射線を放出する放射性同位元素(アイソトープ)を含んだ薬剤を体に投与して病気の有無を調べる検査方法です
「RI」とはRadio Isotopeの略です。核医学検査、またはアイソトープ検査とも言われます。目的とする臓器や病変部に集積した薬剤から放出される微量の放射線を専用のカメラで撮像し、その画像から臓器の形や働きを調べます。検査時間は検査の種類によって異なりますが、約30分から1時間程度です。薬剤を投与してすぐ撮像する検査や、数時間後あるいは数日後に撮像する検査もあります。食事制限が必要となる検査もあります。
骨シンチ・・・癌の骨転移の確認や骨の炎症、その他骨の病気の診断
ガリウムシンチ・・・悪性腫瘍や炎症部位の特定等
脳血流シンチ・・・脳内の血流状態の診断
甲状腺シンチ・・・甲状腺の機能を診断
心筋シンチ・・・血液の不足した心筋部位の特定やその心筋が治療で治る見込みがあるかの診断
などに用いる検査です。
アクセス
所在地岡山県岡山市北区伊島北町6−3