放射線治療科
世界初の動体追尾機能を搭載した高精画像誘導放射線治療装置である三菱重工製Vero4DRTを導入し、 高精度放射線治療を手軽に受けられるのが最大の特色です。
診療時間
放射線治療科
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | ||
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午前 | 1診 | 金重総 | 金重総 | 金重総 | 金重総 | 金重総 | - |
2診 | 廣瀬 | 廣瀬 | 廣瀬 | 廣瀬 | 廣瀬 | - | |
午後 | 1診 | 金重総 | 金重総 | 金重総 | 金重総 | 金重総 | - |
2診 | 廣瀬 | - | 廣瀬 | 廣瀬 | 廣瀬 | - |
特徴
当センターには、世界初の動体追尾機能を搭載した高精度画像誘導放射線治療装置である、三菱重工製Vero4DRTが導入され、高精度放射線治療が手軽に受けられるのが最大の特色です。 しかし放射線治療は、がん治療の集学的治療の一環であり、手術、化学療法と共に、岡山中央病院各科の先生方と連携した治療が求められます。 当センター2階には20床の外来化学療法ベッドを有しており、放射線治療と同様に院内外の各科先生方とも連携して化学放射線治療などの集学的治療を行います。
1階は放射線治療専用、2階は化学療法専用のフロアです。
センター内には図書・情報コーナー、家族待合室やパウダールームなど治療を受けられる患者さんやご家族の方を中心に考えて設計しています。
本院とは別に、がんセンターは受付から会計まで当センター内で完結できるように、動線と待ち時間にも配慮しています。
また、当院では、がん検診から総合的がん治療、緩和ケアまで「がん治療の連続性」を保つための機能的な体制づくりを心掛けております。
患者さんやご家族の方に「納得のいく医療」と「病院間の連携」を重視することを基本姿勢としています。
放射線がん治療センターの治療方針について
がんの治療には、手術、放射線治療、化学療法と大きく分けて3種類あり、三本柱と呼ばれています。
化学療法が全身的治療であるのに対し、手術と放射線治療はがん病巣とその周辺を治療する局所治療です。
がん治療は三本柱のどれか一つを選ぶという訳ではありません。
最大の効果と最小の副作用を目指す効率的な治療のことを「集学的治療」と呼び、今日のがん治療においては欠かす事の出来ない概念となっています。
当センターでは1階に日本で6番目、中四国地方では初めてとなる高精度放射線治療装置(三菱重工製、Vero4DRT)を導入した放射線治療フロア、2階に20床のベッドを有した化学療法フロアを用意しています。
岡山中央病院内の診療科や地域のがん診療連携拠点病院、がん診療連携推進病院の診療科と連携し、手術も含めた「集学的治療」を地域と連携して提供していきます。
また、放射線治療は緩和医療としても有効な機能の一つです。がんが骨に転移しておこる痛みや、脳転移による麻痺などの神経症状に対して、放射線治療は迅速かつ強力に症状緩和をもたらすことが可能です。当センターでは緩和ケアチームとも連携し、緩和治療も含めたがん治療のトータルケアを提供します。
放射線治療装置の特徴
放射線治療機 三菱重工製Vero4DRTは、脳や、肺、肝臓に対する定位放射線治療(ピンポイント治療)や、前立腺に対するIMRT(強度変調放射線治療:Intensity Modulated Radiation Therepy)を得意とした高精度放射線治療装置です。
ピンポイント照射により、正常な臓器に放射線をなるべく当てる事なく治療が行えます。
さらに、治療機に備えられた最新のIGRT(Image Guided Radition Therapy)機能により、照射前の位置誤差を瞬時に補正することができ、高精度な患者位置合わせをスピーディーに行うことができます。
また、装置自体が旋回するため、患者さんを動かすことなく、あらゆる方向から危険臓器を避けた照射が可能です。
これらの機能により患者様のご負担の軽減短時間で高精度な治療を、より少ない副作用で行うことができます。
対象となる部位・がん
・前立腺がん、脳腫瘍、肺がん、乳がん、肝胆膵がん、骨腫瘍など(病状によっては適応とならない場合もあります)
・骨転移の痛み、脳転移によりう麻痺など神経症状緩和
放射線科ドクターの紹介
実績
治療部位別患者数 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 |
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乳がん | 69 | 50 | 74 | 76 | 63 | 58 |
泌尿器系腫瘍 | 61 | 52 | 63 | 73 | 82 | 96 |
脳・脊椎腫瘍 | 1 | 7 | 6 | 3 | 1 | 1 |
頭頸部腫瘍 | 2 | 1 | 3 | 2 | 4 | 1 |
食道がん | 0 | 1 | 2 | 1 | 2 | 1 |
肺がん、気管・縦隔腫瘍 | 13 | 12 | 9 | 13 | 11 | 2 |
胃・小腸・結腸・直腸がん | 9 | 7 | 8 | 6 | 8 | 6 |
肝・胆・膵がん | 3 | 2 | 3 | 4 | 4 | 0 |
皮膚・骨・軟部腫瘍 | 2 | 8 | 0 | 6 | 4 | 1 |
婦人科腫瘍 | 2 | 3 | 3 | 0 | 0 | 2 |
造血器リンパ系腫瘍 | 2 | 0 | 2 | 4 | 2 | 2 |
良性疾患 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 |
その他悪性腫瘍 | 1 | 1 | 7 | 0 | 3 | 1 |
IMRT(強度変調放射線治療) | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 |
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泌尿器系腫瘍 | 41 | 31 | 39 | 30 | 43 | 54 |
その他 | 4 | 7 | 6 | 1 | 1 | 4 |
内用療法 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 |
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ゾーフィゴ | 16 | 5 | 6 | 6 | 11 | 13 |
定位照射 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 |
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脳 | 7 | 2 | 5 | 4 | 4 | 1 |
体幹部 | 10 | 6 | 7 | 8 | 12 | 11 |
主な病名・治療法
前立腺癌へのIMRTについて
治療方法
強度変調放射線治療(IMRT)とは、専用のコンピュータを用いて照射野の形状を変化させたビームを複数用いて、腫瘍の形に適した放射線治療を行う新しい照射方法です。
当院では2014年1月より前立腺癌に対するIMRT(強度変調放射線治療)を開始いたしました。
前立腺癌は放射線治療が非常に有効な疾患です。従来の3次元原体照射(3DCRT)で高線量を照射すると膀胱や直腸など隣接する臓器へ副作用のリスクが高まりますが、強度変調放射線治療(IMRT)であれば、周囲の臓器への線量を減らし、前立腺に高線量を集中させて照射することが可能です。すなわちより高い治療効果を得ると同時に、周辺臓器への線量を低減し副作用を軽減します。
正常組織にもがんと同じ線量があたってしまっている
周辺臓器への線量を低減し副作用を軽減します。
肺癌への定位照射について
肺癌(はいがん)
肺に発生する悪性腫瘍で肺そのものから発生したものを原発性肺がんといい、通常肺がんといえば原発性肺がんを指します。一方、他の臓器から発生し、肺に転移したものを転移性肺がん、または、肺転移と呼びます。早期であれば手術が最も治癒の期待できる治療法ですが、発見された時には進行している場合が多く、手術のほかに放射線治療や抗がん剤治療、さらにこれらを組み合わせた治療が選択されます。
治療方法
定位放射線治療
当院の放射線治療装置(三菱重工製Vero4DRT)は肺癌への定位照射(ピンポイント治療)も得意としています。
治療は多方向から1点に向けてピンポイントで照射することにより副作用が軽減されます。(ほとんどの患者様は全く自覚症状はありません)
肺癌の定位放射の適応は5㎝(できれば3㎝)までの肺癌でリンパ節転移のないものとなります。リンパ節転移のあるものは通常の放射線治療を行います。
治療の手順としては、初回外来時に治療用CTを撮像し、治療時間は1回20分程度で、4日間の治療で終了です。治療期間中の副作用はほとんどありません。
がん性疼痛への緩和照射
緩和照射(かんわしょうしゃ)
緩和照射とは、がんの進行によって引き起こされる、苦痛を伴うさまざまな症状を緩和する目的で行われる放射線治療です。進行したがんやほかの部位に転移したがんが対象となります。
たとえば、骨にがんが転移したことによる痛みを和らげることや、肺がんなどによる呼吸困難を改善することを目的に、放射線治療による緩和照射が行われることがあります。
特に、骨にがんが転移した場合は強い痛みを伴うため、原因となっているがんに放射線治療を行うことで、痛みを抑えることができます。
緩和照射の主な目的は、がんによる症状を抑え、患者さんの生活の質(QOL)を向上させることにあります。がんは、それ自体が大きくなることで、神経の圧迫による痛みや骨折などの症状をもたらすことがあります。特に全身にがんが転移している場合は、がんによる症状に加えて治療による副作用も強く出る場合があり、治療期間も長期にわたります。そのため、がん治療を続けるためには、生活の質(QOL)を保つことが非常に重要となります。その中で緩和照射は、さまざまな症状の緩和が期待でき、大きな役割を果たしています。たとえば、緩和照射の目的の一つに『止血』があります。肺がんでは「血痰(痰に血が混じること)」、胃・大腸がんでは「下血(排便時出血)」などの症状が出ることがありますが、そのような出血を伴う症状を止める場合にも緩和照射が用いられます。出血を止めることで貧血などの症状を抑えることはもちろん、出血が止まることで気持ちが安心することにもつながります。また、食道がんの場合は『飲み込み困難の改善』を目的に緩和照射を用います。食道にがんできることで食道が狭まり食事を摂ることが困難な場合に、原因となっているがんに放射線治療(緩和照射)を行うことで、食事を今まで通りに摂れるようにすることができます。このように、緩和照射により苦痛や日常生活の支障となるがんを治療することで、副作用の軽減や生活の質(QOL)を向上させ、治療を続けられるようにすることが、緩和照射の大きな役割といえます。
緩和照射で改善が期待できる症状として、主に以下のようなものがあります。
脳転移による頭痛や嘔気・嘔吐などの神経障害の緩和
骨転移による疼痛の緩和
がんによる出血の止血
がんによる麻痺・痺れなどの神経障害の緩和
がんによる気道の狭窄・閉塞(呼吸困難等)の緩和
がんによる消化管の狭窄・閉塞(飲み込み困難等)の緩和
がん細胞や特定の臓器に取り込まれる性質を持つ物質に、放射性同位元素(ラジオアイソトープ:RI)を組み込み体内に投与することで、体の中から選択的に放射線を照射する治療です。当院では、骨転移疼痛緩和治療(メタストロン注)と、去勢抵抗性前立腺がん(※)の骨転移治療(ゾーフィゴ静注)を行っています。(※ 去勢抵抗性前立腺がん(CRPC): ホルモン療法が効きにくくなってきた前立腺がん)
がん性疼痛へのRI内用療法
ゾーフィゴ静注とは
ゾーフィゴ静注は、去勢抵抗性前立腺がん(CRPC)の骨転移の治療を目的とした放射性医薬品です。
適応
骨シンチグラフィ陽性の去勢抵抗性前立腺がんの骨転移内臓転移(例えば、リンパ節、肝臓、肺転移)のある患者さんは適応外です。
特徴
ゾーフィゴ静注には、アルファ線と呼ばれる放射線を出す「ラジウム-223」という放射性同位元素が含まれています。このラジウム-223には、骨の成分であるカルシウムと同じように骨に集まりやすい性質があり、代謝が活発になっているがんの骨転移巣に多く運ばれます。そして、そこから放出されるアルファ線が、骨に転移したがん細胞の増殖を抑えます。それにより、骨転移がんの疼痛緩和効果、生存期間と症状発現までの期間を延長しています。
ゾーフィゴ群とプラセボ群の比較
詳しくはこちらのゾーフィゴ静注 ウェブサイトをご覧ください
http://www.xofigo.jp/ja/patients/
予約申込について
受診を希望の患者さんへ
初診の方は「予約申込書」があると診察がスムーズです。
患者さんのご家族あるいはお知り合いで、当院への受診を希望される方がいらっしゃいましたら、主治医と相談の上、予約申込書(診療情報提供書)や画像データ、処方内容の分かる資料を持参するようお勧めください。予約申込書をお持ちいただかないと現在までの病状、お薬の内容など治療経過がわからず、治療に支障をきたすことにもなります。
なお、幅広く治療方針について話を聞きたいという方は、セカンドオピニオンをおこなっております。
→ セカンドオピニオンについて詳しくはこちら >>
紹介医療機関の皆さまへ
放射線治療依頼用 予約申込用紙 のご利用方法
地域の医療機関からのご紹介で、当センターの放射線治療を受けることが可能です。下記の予約申込用紙をインターネットブラウザ、もしくはダウンロードでファイルを開いていただきますと、PDFファイルに直接入力できますので、そのまま印刷してFAXもしくはご持参いただきますよう、お願い致します。
また、紹介の前段階の適応の有無についての相談もお気軽にお申しつけください。その際には予約申込用紙と一緒に予約申込書、CTやMRI、PET画像などのCD-Rも着払いでお送りください。後日、お返事をさせていただきます。
外来初診時には、予約申込用紙と一緒に予約申込書、CTやMRI、PET画像などのCD-R、処方内容が分かる資料もご持参ください。
アクセス
所在地岡山県岡山市北区伊島北町6−3