消化器内科
上下部内視鏡による消化器がんの早期発見と炎症性腸疾患の専門診療の他、胃腸の諸症状を対象に診療しています。
外来担当表:岡山中央病院
消化器内科
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | |
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午前 | 藤村 | 森山 | - | 藤村 炎症性腸疾患外来 |
- | 森山 1回/月 |
午後 | - | - | - | - | - | - |
外来担当表:セントラル・クリニック伊島
消化器内科
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | |
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午前 | - | 藤村 女性消化器外来 |
森山 | - | - | - |
午後 | - | - | - | - | - | - |
特徴
1)消化器癌の早期発見と治療
(特に女性で急増している大腸がん)
2)若年者で増加している炎症性腸疾患
(潰瘍性大腸炎、クローン病)の先端的治療
3)胃もたれ、胃痛などを主症状とする機能性ディスペプシアや突然の下痢を引き起こす過敏性腸症候群などの機能性胃腸症、胸焼けを主症状とする胃食道逆流症などに力を入れております。
特に、炎症性腸疾患は国の難病特定疾患に指定されており定期的な通院・加療が必要ですので、当院では炎症性腸疾患(IBD)専門外来を設置しております。
また、女性の患者様のニーズにお応えするため、セントラル・クリニック伊島の女性健康支援センターでも女性消化器内科外来を行っております。
消化器内科ドクターの紹介
主な病名
消化器がんの早期発見と治療
一般的に、胃がんや大腸がんは早期に発見すれば、内視鏡的治療で治癒が可能であることが明らかにされています。
循環器病・糖尿病・透析の患者様は高齢者が多く、消化器癌が合併している可能性があるため、当院では,内視鏡検査で早期発見に努めております。また、原因不明の消化管出血の場合、小腸がんなどの小腸疾患の可能性もありますので、小腸カプセル内視鏡検査も行います
胃がん
胃がんは日本人に多い癌で、胃がん検診の普及などにより胃がんの死亡率は低下傾向にありますが、まだ,死亡数の多い病気です。日本人に胃がんの発生が多い原因として、ヘリコバクター・ピロリと呼ばれる細菌が胃の中に住み着き胃がんを発生させることが明らかにされています。このため、当院ではピロリ菌の除菌治療(保険適応)を積極的に行っております。また、食塩の摂取が多いことも胃がんになりやい要因になっていることが明らかにされています。胃がんは早期には症状がないことが多く、中高年者は症状がなくても胃がん検診を受けることが重要です。胃がん検診の方法はバリウムを飲んで撮影する胃X線検査が一般的ですが、当院ではより早期の小さな胃がんを発見するため胃内視鏡検査を積極的に行っています。もし、早期胃がんが発見されると、内視鏡的粘膜下切除術(ESD)で、内視鏡的治療を行います。
早期胃がん
左の病変のNBI拡大
胃GIST
ESD:内視鏡的粘膜下切除術
食道や胃・大腸の壁は、粘膜層・粘膜下層・筋層という3つの層からできています。
がんは最も内側の層の粘膜層から発生します。
早期がんの中でもさらに早期の病変に対して、胃カメラや大腸カメラで消化管の内腔から、粘膜層を含めた粘膜下層までをはがして、病変を一括完全切除の期待できる小径早期がんで施行される治療法です。
ピロリ菌と除菌治療
ピロリ菌に感染すると、ピロリ菌から出る酵素ウレアーゼと、胃中の尿素が反応してアンモニアなどが発生し、胃の粘膜が傷付いたり、免疫反応により、ピロリ菌から胃を守ろうとして胃の粘膜に炎症が起こります。そして,ピロリ菌の感染状態が長く続くと、慢性胃炎、胃・十二指腸潰瘍、胃がんなどの病気を引き起こす可能性もあります。ピロリ菌の除菌治療は、胃・十二指腸潰瘍、さらに胃がんの予防にも有効です。
ピロリ菌の除菌療法は、1種類の「胃酸の分泌を抑える薬」と、2種類の「抗菌薬」の合計3種類を服用します。1日2回、7日間服用する治療法です。正しく薬を服用すれば、1回目の除菌療法の成功率は約80%といわれています。すべての治療が終了した後、4週間以上経過してから行うピロリ菌除菌判定検査は必ず受けて下さい。
大腸がん
大腸がんは近年、本邦で増加しているがんで、女性のがんの死亡率の第1位は大腸がんです。大腸がんが増加する要因としては、食事の欧米化による脂肪摂取の増加や運動不足などのライフスタイルの変化が指摘されています。
大腸がんも、早期では無症状のことが多いので、40歳以上の方でがんが心配な方は精度の高い大腸内視鏡による検診をお勧めいたします。
そうでなければ、少なくとも大腸がん検診(便潜血検査)を積極的に受けていただき、陽性者は必ず大腸内視鏡検査による精査をお勧め致します。
当院の大腸内視鏡検査は、基本的には全員に麻酔をして施行しています。送気も粘膜から吸収されやすい炭酸ガス(CO2)を使用しており、検査後のおなかの張りも無くなり、苦痛の少ない検査を目指しています。もし、大腸ポリープが発見されると、大きくなると将来癌化する可能性があるため,内視鏡的治療(cold polypectomy・EMR)で積極的に治療しています。
バーチャル大腸内視鏡(3D像)
左図の大腸内視鏡像
EMR:内視鏡的粘膜切除術
生理食塩水をポリープの粘膜下に注入し盛り上げた後、リング状のスネア(金属ワイヤー)をかけて絞り込み、高周波の電流で焼き切る手術です。主に、大腸ポリープの内視鏡的切除で施行される方法です。
炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎/クローン病)
潰瘍性大腸炎・クローン病は慢性に下痢や腹痛、下血などをきたす原因不明の疾患で、難病特定疾患に指定されています。これらの疾患は年々増加しており、厚生省の全国特定疾患受給者数の統計によれば、2014年の潰瘍性大腸炎は18万人、クローン病は4.1万人を超える方が罹患し、20代から40代の比較的若年者に多いことが特徴です。当院では、QOL向上のために,少しでも早く確実・安全に炎症を抑える治療を行っております。
※炎症性腸疾患(IBD)専門外来
毎週木曜日午前 藤村医師
潰瘍性大腸炎の最新治療
潰瘍性大腸炎では新しい抗炎症薬(商品名=ペンタサ,アサコール,リアルダ)やアザチオプリンなどの免疫調節剤、ステロイドで治療し,難治例では,白血球除去療法,抗TNFα抗体(商品名=レミケード、ヒュミラ,シンポニー),抗𝛂4𝛃7インテグリン抗体(商品名=エンタイビオ),抗IL-12/23p40抗体(商品名=ステラーラ),JAK阻害薬(商品名=ゼルヤンツ)を用いて治療しております。
潰瘍性大腸炎
潰瘍性大腸炎に合併したサイトメガロウイルス腸炎
クローン病の最新治療
クローン病の治療としては、内科的治療(栄養療法や薬物療法など)と、外科的治療があります。
内科的治療が主体となりますが、腸閉塞や穿孔、膿瘍などの合併症には、外科治療が必要となります。
クローン病の薬物療法では抗炎症薬(商品名=ペンタサ)や免疫調節剤,抗TNFα抗体(商品名=レミケード,ヒュミラ),抗IL-12/23p40抗体(商品名=ステラーラ),抗𝛂4𝛃7インテグリン抗体(商品名=エンタイビオ)など病状に応じて組み合わせて最新の治療を行っております。
クローン病の縦走潰瘍
クローン病の初期病変 (アフタ性潰瘍)
機能性胃腸症
機能性ディスペプシア
胃もたれ,むかつき,胃の痛みがあり,胃内視鏡検査しても器質的疾患がみられない場合,機能性ディスペプシアと診断されます。
原因としてストレス,胃の運動異常,消化管の知覚過敏などが考えられています。最近,胃内へ酸の注入により,さまざまな上腹部痛や胃もたれが誘発されることが証明され,胃もたれの出現に胃酸分泌が関わっている可能性が明らかになっています。
当院では,機能性ディスペプシアに対して,胃酸抑制薬や消化管運動改善薬などを用いた薬物療法を行っております。
過敏性腸症候群
過敏性腸症候群は、腸に腫瘍や炎症などの原因となる病気がないにも関わらず、おなかの調子が悪く、痛みが続いたり、便秘や下痢などの症状が数カ月以上にわたって続く、消化管の機能障害の病気です。要因の1つにストレスがあります。
通勤電車の中、車の運転中、大事な商談中にでも突然我慢できないような便意が起こって下痢をする場合、下痢と便秘を繰り返す場合や、ウサギの糞のようなコロコロした便が排出される場合、過敏性腸症候群が疑われます。
当院では,新しい薬物であるラモセトロン(商品名=イリボー)やリナクロチド(商品名=リンゼス)などを用いて治療しております。
アクセス
所在地岡山県岡山市北区伊島北町6−3