昭和26年病院開設時からの看板診療科として、現在は常勤4名体制で診療を行っています。
特に近年は腎尿路結石、女性泌尿器疾患、前立腺など泌尿器腫瘍の低侵襲治療を特徴として、「質は高く、患者さんの身体的負担が少ない医療」を目指しています。
令和元年度の新入院患者数は849件、外来延べ数は14,910件となっています。
腎尿路結石は2020年度、587件の初回治療を行っています。
女性泌尿器科診療は、女性医師による子宮や膀胱などの臓器が垂れ下がる骨盤臓器脱、意図しない尿漏れに悩まされる尿失禁の診療に力を入れています。
泌尿器科腫瘍は低侵襲をコンセプトに、前立腺癌には放射線治療科との連携による強度変調放射線治療（IMRT）を行っています。

産科では分娩異常と出産後のフォロー、婦人科では子宮筋腫や卵巣嚢腫の手術入院を中心に対応しています。腹腔鏡手術では短期間の入院で対応が可能です。

地域施設、在宅からの誤嚥性肺炎や尿路感染症などの感染症や炎症性疾患は一般内科による入院加療を実施しています。腎臓内科では透析の合併症など入院加療しています。消化器内科でのポリぺクトミーでは術後の入院対応を行っています。

対象疾患のうち、最も多いのは、うっ血性心不全です。入院患者の平均年齢は、手術なし 86.4歳／手術あり 91.3歳と、極めて高齢なのが特徴です。担当医師だけでなく、病棟看護師／薬剤師／リハビリ技師／MSWと定期的に話し合いを行いながら、チーム医療を行っています。高齢であっても必要であれば、原因疾患に対する根本的治療／薬物療法／心臓リハビリを行い、極めて高い、自宅退院／施設入所率を維持しています。
他、近年では、特に心房細動に対するアブレーション治療が増加しています。

外傷や急性薬物中毒治療の他、重症疾患は急性血液浄化療法などの集中管理を行っています。

乳癌の手術治療が最も多く、他では鼠径ヘルニア、胆嚢疾患、虫垂炎の手術を中心に行っています。

腰椎、脊椎の手術、股関節の変形や大腿骨頚部骨折、肩や腕の関節疾患への手術などが中心となっています。

骨転移に対する放射線照射療法の入院対応の他に、脳腫瘍、肺癌、乳癌、前立腺癌への照射が診療の中心となっています。

当科では、脳卒中、脳腫瘍、頭部外傷の手術のほか、慢性硬膜下血腫や正常圧水頭症など、「手術で治る認知症」も積極的に治療を行っています。最近は超高齢の患者さんが増加しているため、AIで画像を再構築することにより被爆を低減化して明瞭な画像を得ることができるキヤノン社製CT装置、GE社製3.0テスラMRI装置、シーメンス社製SPECT装置および東芝社製DSA装置などを駆使し、患者さんに負担の少ない検査を行っています。
人生100年時代を迎え、脳だけでなく心疾患や悪性腫瘍など複数の疾患を有する患者さんが増えていますので不整脈に関連する脳卒中は循環器内科と連携し塞栓源不明脳塞栓症（ESCU）には植え込み型心電計（ILR）留置を行い、発作性心房細動（PAF）が明らかになった場合はカテーテルアブレーションも当院で治療を行っています。また悪性腫瘍が原因の脳卒中、トルソー症候群は各科、放射線治療科と連携し迅速かつ低侵襲の治療を心がけています。

 

結石治療は、ESWL（体外衝撃波結石破砕術）は平日であれば即日日帰りで治療出来る体制を整えており、主に外来で401件、結石の位置や大きさでTUL（経尿道的尿路結石除去術）を選択される患者さんには入院で186件を行い、膀胱結石破砕術27件、PNL（経皮的腎結石破砕術）25件を含めた結石治療件数は岡山市を中心とする岡山県南東部の約6割を占めています。
女性泌尿器科においては、臓器脱への手術手技として、高度な再発率の低いLSC（腹腔鏡下仙骨膣固定術：42件）も行っており、従来のTVM（骨盤臓器脱メッシュ手術：28件）、尿失禁のTOT・TVT（尿失禁手術：38件）を含めて患者さんに合わせた治療を実施しています。
前立腺癌はp-biopsy（経皮的前立腺生検）での検査入院から、治療は当院では放射線治療を専門に、最新の放射線治療器によるIMRT（強度変調放射線治療：31件）を行っています。
膀胱癌にはTUR-BT（経尿道的膀胱腫瘍切除術：95件）など、腎臓や精巣、尿管などの手術も実施しています。