骨粗しょう症の無料相談室

骨粗しょう症の治療薬は骨がこれ以上もろくなるのを防ぎ、骨折を予防するために用いられます。
安全に、かつ期待される効果が出るように、薬を使う際には医師・薬剤師から説明を受け、正しい服用方法でお薬を使いましょう。
薬について気になること、不安なことがあれば、自分で判断せず、医師・薬剤師に相談しましょう。

 薬の種類
 ①骨吸収抑制剤
 ②骨形成促進剤
 ③Ca代謝調節剤
 ④その他

薬の種類

骨粗しょう症の治療薬は、その作用によって以下の4種類に分類されます。

骨吸収抑制剤
骨の新陳代謝において古い骨を壊す『骨吸収』を抑制し、骨密度の減少を抑えます。

骨形成促進剤
骨の新陳代謝において新しい骨を作る『骨形成』を促進し、骨密度を上昇させます。

Ca代謝調節剤
骨の主な材料であるカルシウムの吸収を促進します。

その他
上記以外の骨粗しょう症治療薬です。

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①骨吸収抑制剤

ビスホスホネート系製剤
作用 ビスホスホネート系製剤の成分が骨に取り込まれます。
骨吸収の際に骨から破骨細胞に薬剤の成分が取り込まれ、破骨細胞の働きを抑えます。
破骨細胞の働きが抑えられることで、骨吸収が抑えられ、骨密度を上昇させます。
特徴 ビスホスホネート系製剤は骨粗しょう症の薬としてよく使われている薬です。飲み薬以外にも注射剤があり、使う人の状況に応じた薬を選べます。
使用上の注意 飲み薬の場合、水以外のもので飲まないでください。また、飲んだ後30分以上は飲食したり、横になったりしないでください。

歯科治療の予定があるときは、医師・歯科医師に相談してください。


RANKL阻害剤
作用 破骨細胞の分化や活性化に必要な物質(RANKL)の働きを阻害することで、破骨細胞の働きを抑え、骨吸収を抑制、骨密度を増加させます。
特徴 6か月に1回注射(皮下注射)する薬であり、続けやすい薬です。
使用上の注意 RANKL阻害剤投与中は低Ca血症予防のためのビタミンD・Caの配合剤の投与が必要です。

歯科治療の予定があるときは、医師・歯科医師に相談してください。


エストロゲン製剤
作用 エストロゲン(女性ホルモン)の薬です。不足している女性ホルモンを薬として補うことで、骨吸収を抑制し、また、骨形成を促進します。
特徴 早くに閉経した人、更年期障害を伴う人の骨粗しょう症の予防・治療にも用いられます。飲み薬以外に貼り薬があります。
使用上の注意 エストロゲンに由来する癌(子宮内膜癌・乳癌)や静脈血栓塞栓症、視覚障害のリスクが上がる場合があります。(子宮内膜癌・乳癌のリスクを抑えるために、黄体ホルモンを併用する場合もあります。)

SERM(選択的エストロゲン受容体モジュレーター)
作用 骨に対して女性ホルモン(エストロゲン)と同じように作用し、骨吸収を抑えます。(エストロゲン製剤とは異なり、乳房・子宮に対しては女性ホルモンの作用を示しません。)
特徴 閉経後の骨粗しょう症の人に用いられます。
使用上の注意 エストロゲン製剤と同様、静脈血栓塞栓症、視覚障害のリスクが上がる場合があります。

カルシトニン製剤
作用 破骨細胞にあるカルシトニン受容体に作用し、破骨細胞の機能を抑制し、骨吸収を抑えます。また、鎮痛作用も示します。
特徴 骨密度を上げるためよりも、骨粗しょう症による痛みを和らげるために使われます。
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②骨形成促進剤

副甲状腺ホルモン剤
作用 副甲状腺ホルモンを間欠的に投与することで、骨形成を促進し、新しく骨を作ることで骨密度を上げる作用があります。
特徴 効果が強い薬のため、骨密度低下が強い、あるいはすでに骨折を起こしている骨粗しょう症の方に使われます。
使用上の注意 注射剤のため、内服できない人にも使えます。 毎日自己注射するタイプと、週1回医療機関で注射するタイプがあります。
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③Ca代謝調節剤

ビタミンD製剤
作用 小腸からのCaの吸収促進、副甲状腺ホルモンの生成・分泌抑制などにより、骨密度の維持・増加作用を示します。
特徴 昔から使われている骨粗しょう症の薬です。他の骨粗しょう症の薬と一緒に使われることがあります。筋肉に作用することで、転倒予防効果も見られます。

Ca製剤
作用 骨の構成成分であるCaを補給する薬です。Caの不足は骨をもろくするため、適切なCa補給は骨粗しょう症の治療に重要です。
特徴 食事で十分にCaが摂取できない人に推奨されます。しかし、単独では効果が低いため、他の骨粗しょう症治療剤と一緒に使われます。
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④その他

ビタミンK2製剤
作用 骨形成を補助します。
使用上の注意 ワーファリンという薬を使っている人はビタミンK2製剤は使えません。
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